作家 戸板康二さんの ちょっといい話
演出家の菅原卓さんと、劇作家の内村直也さんは、じつの兄弟である。  あるパーティーで、すぐ近くにいたが、兄弟だから、かえって話そうと努力もせず、無言で並んで立っていた。 すると、親切な人が来て、 「御紹介しましょう。 こちら、菅原卓さん、こちらは内村直也さんです」 内村さんは、だまって、お辞儀をした。 菅原さんは、すましていった。 「はじめまして」

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スウェーデン出港ヘルシンキへ向う、ストックホルム付近。

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作家 戸板康二さんの ちょっといい話
中野実さんが三つの月刊誌に連載を書いている時に、編集者にいった。 「ゆうべは、怖い夢を見て、うなされたよ」 「どんな夢ですか」 「原稿用紙のような牢屋に入れられた夢」

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スウェーデンに向う両岸およそ100kmには小さな島が散在している。

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作家 戸板康二さんの ちょっといい話
平林たい子さんは動物が好きで、いろいろなペットを飼っていた。 円地文子さんが、「徳、禽獣に及ぶね」 というと、平林さんは、こう答えた。 「動物は裏切りませんからね」

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スウェーデンに向う両岸およそ100kmには小さな島が散在している。

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作家 戸板康二さんの ちょっといい話
村松梢風さんが、編集者に、「仕事をしていない時、ぼくが何を考えてるかわかりますか」 といった。 「さァ何でしょう」 「女のことですよ」

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作家 戸板康二さんの ちょっといい話
「月山」 というのは、森敦さんの芥川賞受賞作だから、字では知っているが、一般に、正確に読まれているかどうかは、明らかでない。   山形県の山で、 ガッサン が正しい。 戦前、日本橋の丸善別館の近くに、 「月山」 という汁粉屋があった。  「学鐙」 の編集長の水木京太さんがぼくを連れて行った時に、こういった。  「ぼくはここの店の名を読ませて、学力をテストするんです」

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作家 戸板康二さんの ちょっといい話
内田百さんは、新仮名づかいを決してみとめない作家だったので、すべての新聞が新仮名になってからは、原稿依頼を一切ことわっていた。 まだ 「仮名づかい原文のまま」 という除外例の許されない占領時代に、百さんの気に入っている記者が来て、百字ほどのコメントをぜひお願いしますと、懇願した。 身びいきの強い百さんは、とうとう承知したわけだが、できあがった原稿は、終始旧仮名で、しかも新しい表記と一箇所も、矛盾していなかった。

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スウェーデンに向う両岸およそ100kmには小さな島が散在している。

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作家 戸板康二さんの ちょっといい話
テレビに出ている時、プロデューサーから、時々、紙を渡されることがある。  徳川無声さんが探偵長で、犯罪ドラマの犯人を当てるNHKの 「私だけが知っている」 という番組に、レギュラーで出ていた。 指紋をつけずに、塗り物の菓子の蓋

をあけて、中のまんじゅうを子供が食べたという、・・・・・トリックは、すぐわかった。 「これはセロテープを使ったんだ」 と口々にいっていると、紙がまわって来て、「セロファンテープといって下さい」 と書いてある。  あとで理由を尋ねたら、 「セロテープ」 というのは、或るセロファンテープの会社の商品名だったのである。 その徳川さんがなくなった時、サトウ・ハチローさん、

七尾伶子さんたちが追悼座団会を、NHKテレビで録画して、ぼくが司会者だった。初期の 「話の泉」 で 「さしつさされつ」という題が出た時、 「蜂のけんか」 といった話とか、何かの標語の審査会にゆく日に玄関で靴を穿きながら、「父は標語におもむかん」 といった話などが出て、スタジオに笑い声がしきりに起こる。紙がまわって来た。 「すこししめやかに」

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作家 戸板康二さんの ちょっといい話
徳川無声さんが、はじめて文壇句会で、内田百さんに会った。  会場は麹町だった。帰りに寄りませんかといわれ、徳川さんは、番町の内田邸の前まで行ったが、もう遅いと思ったので、門口で中を見まわしただけで、辞退した。  荻窪の家に帰ると、 しばらくして、門の外に誰かが立っている気配がしたので、戸をあけると、百さんがいて、「あなたは、せっかく人

の家に来ていながら、サッサと帰られた。 あれは礼儀として、よろしくない。  私はそのことを御注意しようと思って、参上した」 という。 帰ろうとした百さんが、悠然とハイヤーにのりこんだのはいいが、エンジンの故障で動かない。 その夜初めて会った二人で、車のあと押しをしたという話である。

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作家 戸板康二さんの ちょっといい話
週間朝日の 「問答有用」 は、徳川無声さんがいつも聞き手だった。 内田百さんが出席した時、会がおわって、謝金を編集長が渡したら、烈火のごとく怒って、「こういう金は、翌日家に届けるのが礼儀というものです。 今ここで、袋ごと千切って、川に投げこみたい」 といったので、 「申しわけありません、では、明日あらためて、お宅にお届けします」 と侘び、返してもらおうと思って手を出すと、「きょうは、もらっておきます」

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作家 戸板康二さんの ちょっといい話
辰野隆さんに、謹厳無類の弟子がいて、昭和10年ごろだから船に乗ってフランスに留学することになった。 研究室に出発の挨拶に来たその助教授に、教授が訓戒を垂れた。 「パリにゆくと、たまに、向うの女性と交渉を持つ機会があるかも知れない。 あぶないから、そういう時のために、予防の用具を持って行くほうがいい」  「はァ?」 「ぼくのいってること、君、わかっているのかね」  「横浜から、用意してゆくんですか?」 辰野さんは苦り切っていった。 「ゲートルじゃァ、あるまいし」

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