作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その10
草野心平さんは、はじめ水道橋のそばに、 「火の車」 という酒場を開いた。 「火の車としておけば、税金をとりに来ないでしょう」
その後、新宿御苑の近くに、 「学校」 という店を持った。 「学校としておけば、家の人が安心して、来させてくれるでしょう」

一ノ割公園の今年の桜

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- 2007/04/10(火) 09:50:03|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その9
井伏鱒二さんに、二日酔いをなおす秘訣を尋ねたら、ぬるい湯にはいって段々熱くしてゆくのが、いちばんいいといった。 「そのあと、
どうします」 「きまってるじゃないか、また飲みはじめるんですよ」 山口瞳さんの 「酒飲みの自己弁護」 に、書いてある。

一ノ割公園の今年の桜

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- 2007/04/09(月) 10:00:27|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その8
阿部真之介さんが、新聞社からもらう定期券で、阪急に乗っていた。 車中は満員である。 小林一三さんが近づいて来て、 「立っ
てくれないか」 という。 「なぜ」 「君は、ただじゃないか」

タイの調理師の技

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- 2007/04/08(日) 09:24:55|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その7
大佛次郎さんが町を歩いていたら、女の人がお辞儀をしたので、 「やァしばらく」 と挨
拶して別れたが、それが自分の家のお手伝いだったに、気がついた。 その夜、したた
か飲んで、大佛さんは帰宅した。 この話をして、 「酔ってでもなけれは、玄関をはいっ
てゆけません」

タイ「スコータイ遺跡」の仏像

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- 2007/04/07(土) 09:24:21|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その6
辰野隆さんは、その母堂のいいつけだといって、決して飛行機には乗らず、決してフグを食べなかった。 講演旅行の時、辰野さんだ
けは、大阪から汽車に乗り、ほかの人は、みんな日航に乗って、先に帰京した。 「お一人で退屈だったでしょう」 と、後日世話人が
いったら、 「いいえ、退屈はしませんでした。ずっと、みなさんの追悼文を考えていたから」

わが家に咲いたラン(ギンギアナム)

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- 2007/04/06(金) 09:36:19|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その5
明治製菓の何代目かの社長の浦島さんは、亀太郎という名前だった。 シャレたつもりで、お父さんが考えたのだろうが、やはり、こ
れは当人には、迷惑だったらしい。 旅館に泊まって、宿帳に 「浦島亀太郎」 と書くと、 「冗談なさっちゃ困ります、本名を書いて
下さい」 と、よくいわれたそうだ。

わが家に咲いたラン(パフィオペディラム)

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- 2007/04/05(木) 10:39:17|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その4
内田誠さんを訪ねた小唄の師匠が、 「名前を変えたいと思うんですがね、どうも、まわりにいろんなやつがいて、この世界はうるさい
ところでね、腹が立って仕方がありません」 とブツクサぼやいたあと、「何かいい名前、ありませんか」 といった。 内田さんは即座
に紙に書いて渡した。 「小唄幸兵衛」

古利根川の今年の桜

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- 2007/04/04(水) 09:42:01|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その3
久保田万太郎さんがオスロに行った時、もと日本に留学していたオルセンという青年が、通訳もし、案内役もつとめてくれた。 帰る時
に、 「日本に帰ってから何か送ってあげたいが、何がいいでか」 と訊くと、 「湯豆腐のなべと、朝顔の種」 といった。 お安い御用
だといって、東京に着いてから、さっそく、二つを小包にした。 しばらく経って、オルセンさんから手紙が来た。 こう書いてあった。 「
朝顔のほうは、どういうわけか、咲きません。白夜のせいかも知れません」

一ノ割公園の今年の桜

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- 2007/04/03(火) 11:45:20|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その2
内田百聞さんがいつか、憤然として、こういう話をした。 「うちの近所に、盲学校があって、目の不自由な子供たちが、歌をうたってい
た。 ”白地に赤く日の丸そめて、ああ美しや日本の旗は” ・・・めちゃくちゃです。 腹が立って、泣きそうになりました。」 まったく、
無神経な話である。

わが家で咲いたラン

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- 2007/04/02(月) 12:15:59|
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この文章は作家戸板康二さんが書かれたものです。「ちょっといい話」という題で1978年に文芸春秋社から出版されました。
小話風に編集されています。作品の中から抜粋して紹介します。面白いのでしばらく続けます。文章は原文通りです。
佐藤春夫さんが、「文芸春秋社」に文芸時評を書いた時、とりあげた作品の作家全部に、「先生」という敬称をつけた。大変皮肉だった。
中村光夫さんと論争をした時の文章の題に、「おうい中村君」もっとも、この題の歌謡曲はもう忘れられかけているから、
後世には、意味が通じなくなるだろう。以上次回に続く。

わが家で咲いたラン

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- 2007/04/01(日) 10:24:04|
- 作家 戸板康二
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