客船の旅

セレブリティ・インフィニティ号、ボイジャー・オブ・ザ・シーズ号、セレブリティ・コンステレーション号、サファイア・プリンセス号、カーニバル・リバティ号の客船で巡った船旅です。 写真が主です。

森のふくろうのポスト

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その58
波野久里子さんと、東ベルリンんのポツダム離宮を見に行った。 森の美しい町である。 「ここが有名なポツダムですよ」 といったら、 「まア、ポツダム大尉のポツダムって、ここですか」

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森のポスト

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  1. 2007/05/31(木) 18:21:58|
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ライラックの花

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その57
モスクワ芸術座の女優タラーソワが東京に来て 「桜の園」 のラネーフスカヤを演じている時、舞台で涙がサーッとこぼれるのを見た。 
すぐれた演技者は、ほんとうに泣くのだという定説が、以後劇壇の常識になった。  その後、ある劇団のある女優が、舞台で涙を流し
ているのを、批評家がほめたら、別の女優がいった。 「あのひと、涙腺の具合がわるいのよ」

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ライラック

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  1. 2007/05/30(水) 16:24:29|
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たいつり草

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その56
八代目坂東三津五郎さんが、番匠谷英一さんの 「源氏物語」 を新劇場で上演することになった。じつは初日間際に禁止された芝
居だが、その稽古の最中に、女の子が生まれた。 「名前をどうしましょう」 と尋ねて来たので、 「ケイコにしておけ」 といった。  
次女の慶子さん (池上季美子さんのお母さん) が、その時の赤ちゃんである。

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たいつり草

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  1. 2007/05/29(火) 17:36:56|
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芝桜

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その55
山野一郎の話のマクラに、 「チュウーインガムは噛んでいる間は、うまいんですが、残ったカスは、始末に困るもので、おへそのゴミ
をとる役にしか立ちません」 というのがあった。 市川猿翁さんがそれを聞いて、 「なるほど」 と、いたく感心している。 「何がお気
に召しましたか」 「私はヘソを掃除するのが趣味なんですよ」

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芝桜

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  1. 2007/05/28(月) 10:51:19|
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水芭蕉

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その54
七代目坂東三津五郎さんと、その子の坂東蓑助さん(のちの八代目三津五郎)が戦後、占領軍の将校の集会に、おどりを見せるこ
とになった。 金屏風の前の素おどりで、 「子宝三番叟」 をおどるわけである。 二人が出て行くと、アメリカ人たちは、椅子に足を
組み、反り返って、煙草をふかしていた。  中央から左右にわかれ、大きくまわって、前に出る。 「位取(くらいどり)」 という、日本

舞踊独特の風格を、いまだかつて見せたことのないほど見事に七代目が示し、おどりにかかる時、チラと見たら、アメリカ人たちは、
みんな膝を正し、煙草を揉み消して、じっと舞台に見入っていた。  おわって、さかんな拍手が送られた。 楽屋に帰った三津五郎
が、きびしい顔をしていった。 「俊ちゃん、戦争には負けたけれど、今日は勝ったねえ」

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水芭蕉

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  1. 2007/05/27(日) 12:10:53|
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飛行機雲

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その53
二代目実川延若は、芝居の帰りに行く家が何軒もあった。  きょうはどこにゆくといって出て行った延若が、ある日、本宅に帰って来
た。 夫人が 「おや」 という顔をして出迎えると、 「あ、ちごうた」 といって、回れ右して、出て行った。

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飛行機雲

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  1. 2007/05/26(土) 14:02:23|
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つつじ

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その52
初代中村吉右衛門は、何かというと、医者を呼ぶくせがあった。 医者が来て、 「何でもありませんよ」 というと、機嫌がわるくなり、 
「こりゃいけませんな」 というと、 「ありがとう」 と返事をした。  ある日、主治医に電話すると、晩酌をすませて、かなり酔っている

から、明日にしてくれませんかといった。  「とんでもない、こっちは死ぬか、生きるかだ」 と吉右衛門は叫び、 「とにかく、来てもら
うように」 と家人にせっつく。 先生はタクシーで駆けつけた。 まず脈をとろうとして、懐中時計をポケットから出したのはいいが、文
字盤のほうではない、裏のほうを見ながら、吉右衛門の手首を握った。 時計が裏だとわかった瞬間、吉右衛門は 「うーん」 と、目
をまわしてしまった。

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つつじ

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  1. 2007/05/25(金) 09:45:59|
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八重桜が満開

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その51
十三代目片岡仁左衛門さんが、 「伊達の与作」 の芝居で、わが子の役で出ている子役に向って一生けんめいセルフをいっている
のに、子役がちっとも自分の顔を見ないので、小声で 「お父さんを見なさい」 といった。 この子役は幼い馬士の三吉だから、ひい

ている馬が舞台にでているのだが、子役は、あいかわらず仁左衛門さんを一向に見ず、その馬のほうばかり見ている。  幕になって
から、 「どうして私を見ないんだ、お父さんを見るようにと、あんなに注意したのに」 というと、子供が無心な顔で、 「あの馬に、ぼく
のお父さんがはいっているんです」

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中ノ沢温泉では八重桜が満開

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  1. 2007/05/24(木) 10:44:36|
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達沢不動滝

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その50
藤本真澄さんがヴェニスの映画祭に行くことになった。 その直前のパーティで、山本嘉次郎監督が挨拶した。 「ヴェニスに行った
ら、ゴンドラには乗らないで下さい、ガンになるといけません」  黒沢明監督の 「生きる」 で、志村喬さん扮するガンで死ぬ老人
が 「ゴンドラの唄」 を歌ったからである。

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中ノ沢温泉・達沢不動滝

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  1. 2007/05/23(水) 10:52:04|
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カッパトキア

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その49
菊田一夫さんが、NHKラジオの 「鐘の鳴る丘」 の演出をしていた時、スタジオでは、出演している子供達を、きびしく叱った。 或
る日、リハーサルの時、すこし早目に、スタジオにゆくと、子役が人、グランドピアノの下にはいっている。 「隠れん坊でもしてるの」 
といって、のぞいて見ると、白墨でこう書いてあった。 「菊田先生のバカ」

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トルコ・カッパトキア

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  1. 2007/05/19(土) 09:16:25|
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スリランカ ホテルのもてなし

作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その48
鳳蘭さんの愛称はツレ、本名の中国の名前から来ているらしい。このスターがパリに行くと聞いたので、 「向こうへ行ったら、きっとツ
レビアンといわれるよ」 といった。  その洒落を、 「歌劇」 という雑誌に書いたら、 「トレビアンといわれるよ」 になっていた。 編
集長が、親切に、直してくてたのである。

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スリランカのもてなし

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  1. 2007/05/18(金) 14:05:59|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その47

角川書店で婦人のための文化講座を出版することになって、いつもとちがう売り方を考えた。 とにかく本を各家庭に配って、読んでもらうの
である。 そして一定期間が過ぎると、回収に行き、気に入った人には買ってもらうというのだ。 社長の角川源義さんに、 「何だ、それじゃ、
富山の薬と同じじゃないか」 といった。 「ええ」  「ところで、あなたの郷里はどこ?」  「富山です」

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風化した競技場

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  1. 2007/05/17(木) 11:10:28|
  2. 作家 戸板康二
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その46

菊田一夫さんは、鼻の下に、いわゆるチョビひげを立てていた。晩年は、そのヒゲに白いものがまじった。 東宝の中で、菊田さんを 「専務」 
と呼んだが、親しい気持では、 「ヒゲ」 といっていた。 ある時、社員の一人に、菊田さんが、 「あした午後一時の新幹線で大阪にゆくから
ね」 といった。  「わかりました」 という返事のテンポがのろかったので、機嫌をわるくした菊田さんは、 「わかったんだね、手帳に書きなさ

い」 と命じた。 部下が、手帳を開いて、書きこんだのを見て、菊田さんが、 「見せなさい」 といって、手もとに取りあげ、また怒った。 翌日
のところに、 「午後一時新幹線ヒゲ」 と書いてあったのだ。

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モンレアーレ・モザイクで描かれたキリスト画

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  1. 2007/05/16(水) 11:33:39|
  2. 作家 戸板康二
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その45

横堀角次郎さんは、画家で、群馬県人である。  上州の侠客、国定忠治を崇拝して、国定教科書をうっかりクニサダ教科書と読んだほどであ
る。 田崎嶺雲の書いた国定忠治の像を見て、横堀さんは、ますますうれしくなった。  その顔が、横堀さん、そっくりだったのである。

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12世紀アラブ・ノルマン様式の教会

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  1. 2007/05/15(火) 10:06:21|
  2. 作家 戸板康二
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その44

宮城まり子さんと、 「オリバー」 の初日に、帝劇の廊下で会った。  ベルが鳴ったら、劇場の人が、 「お席は二階の正面、浩宮(ひろのみ
や)様のそばです」 と告げた。 まり子さん、大変てれて、こういった。 「まアいいわ、わたし、宮城(きゅうじょう)だから」 同じ女優の、シャイ
な感じが、こんな時にもわかった。 「来月の末に、私、リタイサルをするの」 リサイタルというのが、恥かしいのである。

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タオルミナのギリシャ劇場後方はエトナ山

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  1. 2007/05/14(月) 11:28:14|
  2. 作家 戸板康二
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その43

梅野泰靖さんがロシアの芝居の 「初恋」 に出演して、巡業に出ることになったが、その留守のあいだに、夫人が出産する予定日が来るのが
わかっていた。 ゆく先々のスケジュールを渡し、男の子の時は 「チキュウハアオカッタ」、 女の子の時は 「ワタシハカモメヨ」 という電報を
打つようにといった。 いうまでもなく、宇宙船にのったガガーリンと、テレシコワの有名な言葉である。 ロシアの芝居の上演中だから、ちょうど
いい。

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エトナ山

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  1. 2007/05/13(日) 10:26:49|
  2. 作家 戸板康二
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その42

NHKの「刑事コロンボ」の主役の声の吹き替えは、いつも、劇団昴(すばる)の小池朝雄さんが担当している。
なかなか評判がいいので、当人も、まんざらでもなかったらしい。
「コロンボ」が放映されてから一年目ぐらいに、はじめて会ったので、「コロンボ、なかなかいいね」というと、いやな顔をした。
おやッと思って、顔を見たら、「みんな、このごろ、コロンボのことしか、いわないんだもの」

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ローマ・スペイン階段

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  1. 2007/05/12(土) 10:53:52|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その41

早野寿郎さんと太地喜和子さんと関根恵子さんの三人が、六本木のバーにいたので、合流した。
太地さんにぼくが、「あなた大分飲むんでしょう? どのくらい飲むの」と尋ねたら、一本指を立てた。「毎日ボトル一本か、すごいな」
というと、関根さんがおどろいて目を見はっていった。「まア、私の倍だわ」つまり、関根さんも、二日に一本なのだ。

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エトナ山の溶岩

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  1. 2007/05/11(金) 10:48:50|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その40

瀬戸内晴美さんが小説に難渋しているのを見て、「プロって大変ですね」という人があった。
瀬戸内さんが答えて、「いいえ、私はアマです」といったというのだ。

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バルセロナ・ラス・ランブラス通りの市場

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  1. 2007/05/10(木) 09:48:44|
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作家 戸板康二さんの ちょっといい話 その39

文学座の北村和夫さんが、俳優になって間もなく、俳優座の小沢昭一さんに会った。
二人は早稲田の同級生である。「お互いにコシタンタンと頑張ろうぜ」
・・・・追伸その北村さんの訃報が新聞にのった。ご冥福をお祈りします。

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バルセロナ・ゴシック地区

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  1. 2007/05/09(水) 10:28:55|
  2. 作家 戸板康二
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プロフィール

イシダ ノブヤス

Author:イシダ ノブヤス
◆客船セレブリティ・インフィニティ号
◆客船ボイジャー・オブ・ザ・シーズ号
◆客船セレブリティ・コンステレーション号
◆客船サファイヤ・プリンセス号
◆客船カーニバル・リバティ号に乗船して、船内 及び寄港地で撮った写真です。

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