特集ワイド:続報真相 安保法案、これだけの危険  毎日新聞 2015年09月04日 東京夕刊。

安全保障関連法案に対する国民の反対の声が強まっていることに対し、菅義偉官房長官は 「一部の野党、マスコミから 『戦争法案』 などと宣伝され、誤解が生じている」 と反論する。 だが、国民は法案の危険性を理解したから反対しているようにしか見えない。 誤解しているのは、政府の方ではないのか。

◇集団的自衛権の行使 揺らぐ首相の説明、リスク高まる国民8月30日の国会前の道路は 「9条壊すな」 「戦争させない」 というプラカードを持った人の波で埋め尽くされた。 安保法案に反対する市民らの抗議集会。 その数は主催者によると12万人(警察発表は3万人)。 世代を超えた人々から安保法案の廃案を求める声が相次いだ。 市民からこうした声が上がるのは、国会審議で新たな課題が次から次へと露呈しているからだ。 まずは、海外での紛争から逃げる日本人の母子が乗った米艦船のイラストが描

かれたパネルを思い出してほしい。 安倍晋三首相は昨年7月、集団的自衛権の行使を認めた閣議決定後の記者会見で、このパネルを使い、「我が国への攻撃ではないが、日本人の命を守るため、自衛隊が米国の船を守れるようにするのが今回の閣議決定だ」 と説明した。 政府が強調する集団的自衛権行使の 「具体例」 なのだが、参院平和安全法制特別委員会での審議で 「具体例」は大きく揺らいだ。 中谷元(げん)防衛相が「邦人が米艦に乗っているかは判断の要素の一つではあるが、絶対的なもので

はない」 と答弁したからだ。 安倍首相の説明の前提は崩れ、日本人が乗っているかどうかは関係なかったのだ。 政府は、中東・ホルムズ海峡での機雷掃海も集団的自衛権行使の具体例とする。 安倍首相は 「日本に輸入される原油の8割がホルムズ海峡を通過し、海峡が機雷で封鎖されて燃料が不足すれば、人的・物的被害が出る」として機雷掃海の必要性を訴えてきた。 ホルムズ海峡の封鎖は、集団的自衛権を行使できる要件の一つ、日本の存立が脅かされ国民の権利が根底から覆される明白な危険

がある「存立危機事態」 に該当するというのだが、「無理な説明」 と否定的な声は根強い。 その一人が、倉持麟太郎弁護士。 衆院安保特別委で野党側参考人になった倉持氏は 「海峡が封鎖されても、日本には150日分の石油備蓄がある。 また、備蓄がなくなる前に他国が機雷を掃海し、日本の存立を脅かす武力が排除される可能性は強い」 と述べ、政府の説明を覆す。 しかも、原油の輸出を増やしたいイランからは、海峡の機雷封鎖について 「イランを想定しているなら、全く根拠のないこと」 (ナザルア

ハリ駐日大使)と否定されてしまった。 「具体例」 が揺らいだせいか、安倍首相は、南シナ海で停戦前の機雷掃海についての答弁を軌道修正した。 衆院審議では 「南シナ海は迂回(うかい)路がある」 と集団的自衛権の行使を否定していたが、参院審議では 「迂回ルートがあるので想定しにくいが、(武力行使の)新3要件に当てはまれば対応していく」 と答弁を変えた。 政府の対応に倉持氏は 「うそと強弁で押し切ろうとするから、法案に書いていないことを言わざるを得ない。 答弁と法案に食い違いが生じる」 と批

判する。 自衛官や国民のリスクが高まるのか、否かという問題も解決していない。 政府は 「リスクが高まることはない」 と繰り返すが、憲法学者の水島朝穂早稲田大教授は真っ向から批判する。 「集団的自衛権の本質は相手の報復を引き出してしまうこと。 仮に北朝鮮が米艦船を攻撃し、日本は攻撃を受けていないのに北朝鮮を集団的自衛権の行使で攻撃したら、北朝鮮の日本への報復は倍返しになるでしょう。 国民や自衛官のリスクは圧倒的に高まります」。

bba18d.jpg Celebrity Equinox号・122000トン。

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