記者の目  消費増税再延期と参院選/上=横山三加子(東京経済部)毎日新聞2016年6月9日 東京朝刊。

日本の将来に無責任 今上げないで、いつ上げるのか。 もう上げられないのではないか。 参院選直前に消費税増税の再延期を表明した安倍晋三首相の記者会見を聞いて、こみ上げてきたのは、約束をあっさり破った無責任な態度への怒りと同時に諦めに似た気持ちだった。  ここ数カ月、増税が予定通り来年4月に実施されるかどうかを見極める取材をしてきた。 首相や周辺は 「どうやって再延期の理由を見つけるか」 に躍起だった。 「どうすれば国民の理解を得て税率を上げられるか」 に取り組む姿はほとんど

見られなかった。  私だって増税は嫌だ。 しかし、少子高齢化が進む中、日本の借金は1000兆円を超えている。 子育てや年金など社会保障への将来不安が増すのは避けたい。 借金の膨張を放置し、子や孫の世代につけを回すのもおかしい。 予算の無駄遣いをなくしていくのは当然だが、限界もある。 だから増税は 「仕方がない」 と考えている。  首相は最初の増税延期を決めた2014年、「再延期はない。 (増税できる)経済状況を作り出す」 と断言した。 景気動向によって先送りできる条項も法律から

削除すると表明した。 「リーマン・ショックや大震災のような事態が生じない限り確実に実施する」 と説明してきた。 首相の言葉には重みと覚悟があるはずだ。 そう思っていたからこその 「仕方がない」 でもある。

『海外に原因転嫁、サミットを利用』。
だが、来月の参院選を前に国民に負担を求める覚悟はなかったようだ。 年明け以降に動き出した再延期用の舞台装置は分かりやすかった。  政府は経済情勢を議論する専門家会合を開催した。 ノーベル経済学賞を受賞した米大学教授らが増税先送りを主張した。 ある経済官庁幹部は「首相官邸が再延期の地ならしをしたいだけ」 と打ち明けた。  主要国首脳会議(伊勢志摩

サミット)では、官邸幹部らが 「リーマン・ペーパー」 と呼ばれる資料を内密で用意した。 今の世界経済がリーマン前に似ていることを示すデータをかき集めたものだ。 首相は資料を各首脳に示し、「世界経済は危機に陥るリスクに直面している」 と強調した。  ただ、首相は再延期を表明した会見で 「リーマン級の事態は発生していない」 と述べた。 海外メディアで批判が噴出したのも意識したのだろう。 最終的には「危機を回避するため、すべての政策対応を行うことで合意した」 とサミットを再延期の 「お墨付き」 に強

引に持ち出した。 アベノミクスで増税の環境を整えられなかったのに、海外経済に責任を転嫁したとしか見えない。  首相は 「増税は内需を腰折れさせかねない」 とも指摘した。 確かに日本経済は力強さを欠く。 増税が景気に悪影響を及ぼす恐れはある。 だからといって「再延期はない」 としていた約束を「新しい判断」 との一言で放棄し、自民党総裁としての任期切れ後に先送りするのは、乱暴で日本の将来に無責任だ。  再延期しても、いずれ増税すると決まっているのなら、消費者の財布のひもは簡単には緩

まないだろう。 逆に 「いつまでも増税できないのでは」 と社会保障の将来をさらに不安がる人が増えて、貯蓄に一段と励み、消費を切り詰めてしまうかもしれない。  つづく。   

cyz20d.jpg マルセイユ・フランスの街の繁華街 7。

cyz21d.jpg マルセイユ・フランスの街の繁華街 8。

cyz22d.jpg マルセイユ・フランスの街の繁華街 9。

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マルセイユ・フランスの街の繁華街 10。 この機械 「ATM 」?

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