風知草 こんな組織で委員会? 山田孝男 毎日新聞2016年10月31日 東京朝刊。 東京五輪・パラリンピック競技場見直し論議で気になるのは、「五輪だからカネがかかってもいいじゃないか」という論者が目立ち始めたことである。 オリンピック組織委員会の事務所をめぐる問題にも同じ風が吹いている。 「事務所が虎ノ門ヒルズに必要か」という疑問は当然だと思うが、それに対し、「ヒルズでなぜ悪い」という高飛車な擁護論がある。 手狭な使い古しの施設でしのいだ1964年東京五輪組織委の気概を取り戻す
べきではないか。 ◇2020年東京五輪組織委の、役員室と事務局の大部分は、地上52階・地下5階建て超高層ビル「虎ノ門ヒルズ・森タワー」(東京都港区、14年6月開業)の8階全フロアと9階の一部に入居している。 職員は700人強。 家賃は年約5億円。今年から赤坂と新宿にもビルを借り増し、年家賃は7億円に。 解散までの家賃は40億円になる見込みだ。 現地を見た国会議員が苦笑していわく-- 「すごいですよ。 廊下がだだっ広くて、(役員室には)秘書がずらーっと並んじゃってね……」 だ
が、見学できない。 取材できない。 組織委は「外部の方、入室お断り」。 秘境は虎ノ門ヒルズの、IDカード対応のセキュリティーゲートと警備員のかなたにかすんでいる。 組織委・戦略広報課に聞くと、ホームページで公開中の家賃総額の確認には応じるが、他は、広さも、入居の経緯も答えない。 それが<戦略広報>か。 以下、都心の大手不動産管理会社の営業マンに教わったことである。 虎ノ門ヒルズ8階の総面積は3425平方メートル(1036坪)。サッカーのフィールドの半分近い。 都心のオフィス
の平均家賃は3・3平方メートル当たり月1万8300円。 これが虎ノ門ヒルズのような「大規模Sクラス」だと倍以上の同4万円はする。 ちなみに、オフィスはマンションと違い、階層別の価格差がない。 つまり、中低層階だから割安ということはないという。 初めての東京オリンピックの組織委は当初、神田駿河台にあった。 木造2階建ての旧岸記念体育会館である。 途中、後に迎賓館となる旧赤坂離宮へ移るが、そこは戦後、国会図書館や内閣憲法調査会などが寄り合って使っていた。 この組織委の会長は
安川第五郎(1886~1976年、元安川電機社長)だった。 安川の回顧談にこんなくだりがある。 「交通違反で捕まった五輪関係者が『オリンピックの用事』と言ったら放免された例があった。 こういうことから(組織委)事務局内部にも横着な気持ちが漂い、オリンピックのためなら無理も通る、少し高飛車に出ても国民は納得してくれるという、思い上がったムードが出てきた。 私は彼ら(事務局)に『どこまでも低姿勢で、国民に訴えて物事をやれ。 オリンピックだからといって高飛車に出ることは厳に慎め』と終始注意し
た」(日刊工業新聞65年2月9日付) 毎日新聞62年10月18日朝刊に「五輪ボート/会場争い再燃」という記事が出ている。 今と同じ。安川が組織委立て直しに担ぎ出されたのは本番1年8カ月前の63年2月だった。 問題の発見と克服は今昔を貫く課題だが、今の組織委、不親切な情報公開ばかりで実態が見えない。 「国民に訴えて」進む姿勢が欠けている。(敬称略)

右側の大型トラックで運ばれて来た「竿燈」を手直し作業をする差し手たち。

「竿燈」を立てる差し手たち 1。

「竿燈」を立てる差し手たち 2。 「竿燈」の技の種類は、
流し、平手、肩、額、腰の5種類あるそうです。

演技が始まった。 NHKのカメラマンは客船の乗客を撮っている。

太鼓と笛の竿燈囃子。
http://nobuyasu27.exblog.jp/20749359/
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